福岡高等裁判所 昭和25年(う)620号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(理由)
辯護人鶴田英夫の控訴趣意の第一點について
(前略) しかし、公職追放令第十二條にいう「支配の繼續を實施するような行爲」はある一個の行爲のみによつて支配繼續を推斷せしめるに足りる場合も想定されぬことはないが、多くの場合、何にかの機會毎に、ある行爲の發現があり、それの個々の行爲が集積した場合に之を一體として本件事案にあらわれたような事實(原判示第一の(一)から(五)は)一つ一つを採り上げて見れば些事であつて一つ一つを切り離して觀察した丈では未だ支配繼續行爲とは認め難いであらう。之に反し同令第十五條にいう政治上の活動は一つ一つの行爲を採り上げても左樣に認め得る場合が多かろうが又前者のように個々の行爲が集積して一體的觀察において始めて左樣に言いうる場合もないことはないであらう。右のような次第だから、原判決がその判示第一の(一)から(五)までの被告人の各行爲を一體的觀察して支配繼續行爲と認めて前記第十二條違反の包括一罪とし、その判示第二の(一)、(二)(三)の各所爲を個々に同第十五條違反としたことは正當であつて、擬律の誤りはなく論旨は理由がない。